あくいの孫

25歳でまだ大学生やってる人間です

染まったのは好きな人?音楽?

 自分は、小学生の頃からずっとBUMP OF CHICKENが好きだった。学校から家に帰ったら、急いでパソコンを起動してYouTubeを開き、イヤホンをつけて何度も天体観測のMVをリピート再生していた。人生で初めてWALKMANを手に入れてからは、勉強中や遊びや塾の行き帰りの間、ずっと聞いて、夜の住宅街を歌いながら帰っていた。
 それを知ったきっかけは、当時小学校で好きだった子との手紙だった。人前で話して冷やかされるのが嫌だったので、毎日手紙を書いて交換していたのだが、その最初の手紙で教えてもらったのがその子の好きな曲、天体観測だった。
 それ以外にもアジカンとかスピッツとかも教えてもらってはいたが、自分がハマったのはBUMPだけだった。だが、今まで親の借りてきたコブクロとかミスチルとかだけでは、物足りなかった何かが満たされたような感覚で、何より初めて「自分の音楽」を得られたようで嬉しかった。それからBUMPの全アルバムを借りて、WALKMANに全部入れていた。独占欲がめちゃくちゃ強かったので、姉が自分のiPodに BUMPを入れていた時はイライラして喧嘩してしまった。
 ただ、BUMPを聞き始めてから、逆にそれ以外を聞かなくなってしまった。好きな子とは共通の話題になるし、何よりそれ以外がハマらなかったので、BUMP以外はどうでも良くなってしまった。
 最終的に、好きな子とは一年付き合って別れて、BUMPだけが残った。それ以降もBUMPを聞き続けて、それ以外も少し聞くようにはなるが、そこまでハマることはなかった。
 高校は男子校だったので好きな人はいなかったが、大学に入ってから気になる人ができた。やっぱりその人に近づこうと、その人の好きなバンドを聞いた。聞いて聞いて、ひたすら聞いた。でも毎回ハマる訳ではなかったし、そういう相手とは付き合うこともなかった。でも、無理して聞くようにしていた。
 
 最近、ようやく自分で好きな曲を開拓するようになった。傾向もなんとなくわかったし、気分によっては違う感じも聞きたくなることもわかった。なんとなく、自分に馴染む色みたいなものがわかってきたような気がする。始まりはBUMPだったが、いろんな色が混じって、なんだか心地いい。