あくいの孫

25歳でまだ大学生やってる人間です

1月17日

 正確には1月16日の続きだ。0時過ぎてからも寝られず、期末レポートの内容を確認したり、内定先の事前研修を進めたりしていた。飽きた頃、ゼミの研究室から借りてきた辺見庸の「瓦礫の中から言葉を」を読むことにした。コーヒー飲まないと集中できない人間なので、最初YouTubeで適当なBGMを流してもいたが、それもどこか、いまだに何かに頼らないと何かができない自分が嫌になってやめた。とりあえず読み切った。ところどころ辺見の読んだ本の引用をもとに話を広げていたため、理解が難しい箇所もあったが、東日本大震災の後に書かれていて、復興のための全体主義的な空気に耐えられない彼の言葉が真摯に表れていて、今読んでよかったと思う。
 結局朝5時になってしまったので、とりあえず朝ごはんを食べて少し散歩をした。といっても図書館に返し忘れた本があったので、それを返すついでに色々歩いただけだ。道中酔っ払ったおっさんが寝ていたのでとりあえず起こした。
帰ってからしこたま寝た。6時からずっと寝た。本当は研究室に行って本を返すつもりだったけど、体が動かなかった。1人の時の自分の弱さに、いまだに抗えないのが悔しい。

 17時からバイトだったが、ギリギリまで行くかどうか悩んでいた。選択肢は本来ないけれど、行くか迷うくらいには今はメンタルが弱っている。とりあえず体を起こして髪の毛をセットして向かった。えらいと思う。でもそう思う自分が好きではない。
 年明け久々に出勤したので、どこか感覚を忘れている。とりあえず体は動いたが、接客の脳みそが抜けている。まだお客さんとの会話がぎこちない。
 会話をしている中で、ずっとどこかお客さんのことを冷笑的に見ている自分がいる。笑いはするし、相槌も打つが、心の底では違うことを考えている。そういう素直じゃない自分が好きではない。そして、お客さんからもそう思われてそうで、どこか嫌だ。4年半も勤めたが、相変わらずずっと怖い。

 帰ってきて一番に風呂に入った。これはえらい。自分にとって風呂に入ることはけっこうな難題だから。素直にえらいと思う。
 明日も帰ってきたら最初に風呂に入ろう。