あくいの孫

25歳でまだ大学生やってる人間です

2月11日

伊豆
 祖母の家に来た。本当は1月の終わりに来る予定だったけど、つい行くのをやめてしまった。相変わらず迷惑をかけてしまう。そう思って頑張って来ようと思ったが、朝なかなか起きられなかった。全然荷造りもしてなかったので、もう時間的に危ないというくらいで起きて、なんとか最低限の物だけ詰めて行くことにした。行くことにした、と言うと自分で決めているように感じるが、どちらかと言えば行かざるをえなかったという方が正しいように感じる。
 ここ数日、どんどん色んな人が信用できなくなっている。笑っているのはおれの話なのかおれ自身のことなのか、怖くなってしまっている。もう働き始めるのも怖くなって全てをやめてしまいたいと思いながら、新幹線に乗っていた。(本当にギリギリだったので鈍行で行くのは諦めた。)
 なんとか14時前に三島駅に着いて、バスに乗る。西伊豆を走るバスは日に2本しか走っていないので、これを逃すと祖母に会えるのが明日になってしまう。バスに乗れた時はかなりホッとした。だが鬱屈した気持ちがやめられない。とりあえず持ってきた本を読むことにした。
『寒い国のラーゲリで父は死んだ』
 2022年に上映された『ラーゲリより愛を込めて』で主人公だった山本幡男の息子によるエッセイだ。2023年の大学のイベントで関連行事をやらせてもらった時、実際にご本人に会って本にサインももらったので、思い出深い。読んでると、本の内容とは関係なしに、あの時の優しい顕一さんの言葉や、けっこう努力していた自分のことを思い出す。妙に勇気が出るようで、同時に有り難くて涙が出る。頑張ってみようと、そう思えた。
 祖母の家に着いて、色々話した。祖父の墓参りもして、やっぱり色々頑張ろうと、そう思えた。とりあえず手始めに就職先の事前研修をかなり進めた。一個ずつ頑張っていこう。